上場・未上場ベンチャー企業役員のキャリアを在籍者の経歴から考察

コノミン編集部

ベンチャー企業(上場・未上場)163社634名の役員の経歴データをもとに、ベンチャー企業役員のキャリアを分析します。学歴と職歴データからベンチャー企業で役員になるための道を考察します。

ベンチャー企業役員の経歴を分析

若いうちに経営に関わりたいという思いが強いのであれば、ベンチャー企業で役員を目指すというのは選択肢の一つになります。

今回は、コノミン編集部が選んだ上場・未上場のベンチャー企業163社634名の役員の経歴データをもとに、ベンチャー企業役員へのキャリアを考察します。

調査・分析対象

本記事では、以下のベンチャー企業163社の取締役(社外取締役を除く)634名を調査対象とし、学歴や職歴に着目します。

これらのベンチャー企業は2009年~2018年に上場した企業と、2009年以降に累計10億円以上調達した企業の中からコノミン編集部が選定したものです。


イー・ガーディアン、アニコム、ネクソン、リブセンス、イーブックイニシアティブジャパン、KLab、ブレインパッド、ユーグレナ、トレンダーズ、エニグモ、モブキャスト、エイチーム、ベクトル、ライフネット生命、エムアップ、アイスタイル、オウチーノ、ブイキューブ、ホットリンク、アライドアーキテクツ、じげん、メディアドゥ、フォトクリエイト、夢展望、オークファン、オルトプラス、オイシックス、カヤック、データセクション、サイジニア、gumi、クラウドワークス、弁護士ドットコム、セレス、リアルワールド、イグニス、VOYAGE GROUP、メドピア、レアジョブ、フリークアウト、CYBERDYNE、みんなのウェディング、マイネット、オープンドア、ダブルスタンダード、ラクス、鎌倉新書、App Bank、ブランジスタ、ピクスタ、メタップス、イトクロ、アイリッジ、富士山マガジンサービス、Gunosy、ジグソー、モバイルファクトリー、Aimig、イード、ショーケース・ティービー、アイモバイル、ユーザベース、アトラエ、グローバルウェイ、PRTIMES、エボラブルアジア、アカツキ、LITALICO、はてな、ジーニー、SKIYAKI、マネーフォワード、PKSHATechnology、ウォンテッドリー、UUUM、GameWith、Fringe81、ネットマーケティング、ユーザーローカル、ほぼ日、うるる、ロコンド、Edu Lab、自律制御システム研究所、ポート、Amazia、Kudan、フロンティア・マネジメント、andfactory、バンク・オブ・イノベーション、ZUU、ログリー、メルカリ、ラクスル、HEROZ、RPAホールディングス、Preferred Networks、スマートニュース、SmartHR、FOLIO、シナモン、WAmazing、ミラティブ、Azit、ウェルスナビ、ispace、ビズリーチ、LeapMind、ヤプリ、フリー、Inagora、エブリー、C Channel、アクセルスペース、オープンエイト、Liquid、ランサーズ、プレイド、マネーツリー、MICIN、BASE、Kaizen Platform、akippa、Chatwork、メドレー、AppBrew、アソビュー、ユニファ、よりそう、TerraMotors、エルピクセル、VISITS Technologies、Cogent Labs、ライフイズテック、QUOINE、Sansan、One Tap BUY、スターフェスティバル、トレタ、フロムスクラッチ、五常・アンド・カンパニー、モンスター・ラボ、ココン、bitFlyer、Retty、Candee、favy、エアークローゼット、サマリー、Tokyo Otaku Mode、BitStar、クラウドクレジット、Viibar、ヤマップ、スペースマーケット、Kyash、VAZ、プラネット・テーブル、ファームノート、ルームクリップ、TVISION INSIGHTS、ジョリーグッド、キャディ

※注意事項※

全てのベンチャー企業の全てのメンバーではなく、一部(サンプル)であるため、本記事の分析結果が必ずしもベンチャー企業全体にもあてはまるとは限らない点、あらかじめご留意ください(統計処理によりベンチャー企業全体の傾向を推定することもしておりません)。また、データ取得期間の関係上、既に退職者が含まれている可能性もあります。

ベンチャー企業役員の学歴

上場ベンチャーの役員の学歴

※N=122(学歴不明除く)

上場ベンチャー96社の経歴データのうち、学歴が判明したのは122名でした。1位の慶應義塾大学が25名、2位の早稲田大学が15名、東京大学11名、一橋大学6名、京都大学4名と、この5大学で対象者数の半数を占めます。

表に示す通り高学歴な人が多いのは明らかですが、一方でPE在籍者やVC在籍者の経歴と比較すると出身大学の多様性は高いと言えます。

参考記事:

PEファンドへのキャリアを在籍者の経歴から考察【最強のエリート集団の学歴・職歴】
ベンチャーキャピタル(VC)へのキャリアを在籍者の経歴から考察【VCへ転職するには】

未上場ベンチャー役員の学歴

※N=116(学歴不明除く)

未上場ベンチャー67社の経歴データのうち学歴が判明したのは116名でした。上場ベンチャー役員の学歴と同様に高学歴比率が高いです。1位が東京大学の16名、2位が慶應義塾大学の10名、3位が早稲田大学の8名と、ここでも東京大学・慶應義塾大学・早稲田大学の3大学が上位3大学となりました。

ベンチャー企業役員が新卒で入社した企業

※N=479 ※300社のうち上位7社を掲載

ベンチャー企業(上場・未上場含む)の経歴データ634名のうち、新卒入社企業が判明したのは479名(300社)でした。表ではそのうち上位7企業を示しました。1位はリクルート、2位はマッキンゼー・アンド・カンパニー、3位はヤフーとなりました。リクルート出身者がベンチャー企業で活躍しやすいというのは正しいのかもしれません。

ベンチャー企業役員が新卒・2社目で入社した業界

上場ベンチャー企業役員が新卒で入社した業界

※N=350(職歴不明除く)

職歴が判明した上場ベンチャー企業役員は350名でした。彼らが新卒で入社した業界は首位がIT業界と金融業界でした。IT業界は楽天やサイバーエージェントなどのメガベンチャー、大手システムベンダー、小規模のベンチャー企業などがありました。金融業界の内訳は日系証券が24名、外資系投資銀行が15名、日系銀行が11名、投資・運用系企業が9名、その他が11名でした。

次の広告・メディア業界は、電通や博報堂などの広告代理店や出版社がほとんどを占めていました。コンサルティング業界は、アンダーセン・コンサルティング(現・アクセンチュア)やPwCなどの総合・IT系コンサルティングが22名、McKinsey&CompanyやBCGなどの戦略コンサルが12名、その他が6名でした。

上場ベンチャー企業役員が2社目に入社した業界

※N=268(職歴不明・2社目で対象企業への転職を除く)

上場ベンチャー企業役員が2社目で入社した業界は、新卒で入社した業界と比べ、IT業界と広告・メディア業界が割合を伸ばし、他業界がやや収縮しました。上位の業界に新卒入社業界と大差はありませんが、各業界の内訳を見ると、IT業界、広告・メディア業界ともに大手企業が姿を消し、ほとんどが小規模スタートアップになっていました。


【IT業界→IT業界→上場ベンチャー企業役員の例】

セレス 取締役インターネット事業本部求人メディア事業部長 高橋秀明氏

2000年上智大学経済学部を卒業後、株式会社サイバーエージェントに入社。インターネット広告の販売等に従事。2003年同社を退社。株式会社トラフィックゲート(現・リンクシェア・ジャパン株式会社)を経て、2005年1月セレス取締役に就任。

未上場ベンチャー企業役員が新卒で入社した業界

※N=115(職歴不明除く)

職歴が判明した未上場ベンチャー企業役員は115名でした。内訳は上場ベンチャー役員とほぼ同様の結果でした。ただし、金融業界の内訳を詳しく見ると、未上場ベンチャー企業役員の場合は、その半数がメリルリンチやモルガンスタンレーなどの外資系投資銀行に入社していました。金融業界の中でも、外資系投資銀行の方はよりリスクが高い選択を取る可能性が考えられます。

未上場ベンチャー企業役員が2社目に在籍した業界

※N=66(職歴不明除く)

未上場ベンチャー企業役員が2社目で入社した業界は、新卒入社業界や上場ベンチャー企業役員の2社目の入社業界と比べ、IT業界の多さが目立ちます。また、IT業界の内訳も大きく異なり、上場ベンチャー企業役員のケースでは小規模スタートアップが多くを占めたのに対し、グリー(6名)、ヤフー(4名)、楽天(4名)などのメガベンチャーが多くを占めました。メガベンチャーなどの大規模IT企業での経験が、未上場ベンチャーで求められることが多いと考えられます。


【金融業界→IT業界→未上場ベンチャーの例】

Tokyo Otaku Mode CEO 小高奈皇光氏

慶應義塾大学総合政策学部卒。2000年メリルリンチ投資銀行部に入社。電通IPOやソニーの資金調達(2,500億円)、大成火災の会社更生計画(現損保ジャパンへの統合)など多数の案件に携わる。2006年株式会社ガイアックスのCFOに就任。2012年Tokyo Otaku Modeを共同創業者として設立。

ベンチャー企業代表者の学歴・職歴

ベンチャー企業の代表者(代表取締役・社長)と代表者ではない取締役の学歴・職歴に違いはあるのでしょうか。

ベンチャー企業代表者の学歴

※N=65(学歴不明除く)

ベンチャー企業代表者の新卒入社企業

※N=150 ※113社のうち上位4社を掲載

ベンチャー企業代表者の新卒入社業界

※N=150(職歴不明除く)

上記の通り、ベンチャー企業代表者の学歴・新卒入社企業・業界は、その他役員の経歴とほぼ同じであることがありました。代表者だからといって、とりわけ変わった経歴が見られるということはないようです。


【新卒でリクルートに入社した、ベンチャー企業代表者の例】

ジグソー 代表取締役社長 山川真考氏

関西学院大学法学部卒業。1989年リクルートへ入社。2000年トランス・コスモス株式会社に入社し、ベンチャー企業などのスタートアップの支援を行う。2005年5月アイピー・テレコム株式会社(現ジグソー)取締役に就任。2015年ジグソー代表取締役社長就任。


【新卒でマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社した、ベンチャー企業代表者の例】

キャディ 代表取締役 加藤勇志郎氏

東京大学卒業。2014年に外資系コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーへ入社。2016年に同社マネージャーに昇進。日本・中国・アメリカ・オランダなど、グローバルな領域で製造業メーカーを多方面から支援するプロジェクトをリード。特に、重工業、大型輸送機器、建設機械、医療機器、消費財を始めとする大手メーカーに対して購買・調達改革をサポートした。他、IoT/Industry4.0領域を立ち上げ時から牽引。製造業分野の持つポテンシャルに惹かれ、2017年11月にキャディ株式会社を創業。

ベンチャー企業役員になりたいのなら

最後に本記事をまとめると、


1. ベンチャー企業役員は高学歴。

ベンチャー企業役員は東京大学・慶應義塾大学・早稲田大学の3大学を筆頭に高学歴の方が多いです。しかし、PEファンドやVC(ベンチャーキャピタル)在籍者の出身大学と比較すると、最難関大学以外の出身者も混在しており、必ずしも高学歴である必要はないとも言えます。


2. 新卒で入社する業界はIT業界か金融業界が多い。個別企業であればリクルート出身者が目立つ。

ベンチャー企業役員が新卒で入社する業界は、IT業界と金融業界が多いです。広告・メディア業界やコンサル業界も一定数います。また、具体的企業ではリクルート出身者が非常に多いほか、マッキンゼー・アンド・カンパニーや現アクセンチュアなども目立ちます。


3. 2社目では大企業ではなくベンチャー企業に入社する傾向がある。

ベンチャー企業役員が新卒以降2社目で入社する業界ではIT業界と広告・メディア業界が多いです。さらに、その内訳を見ると、そのほとんどが大手企業ではなく、メガベンチャーやスタートアップなどのベンチャー企業へ転職しています。


4. ベンチャー企業代表者の経歴は、その他の役員の経歴とほとんど変わらない。

ベンチャー企業で代表者の経歴は、代表者以外の役員の経歴とほぼ同じでした。ベンチャー企業の役員においては、代表者がその他役員と比べて何か特別な傾向があるわけではないようです。


以上、上場・未上場ベンチャー企業役員のキャリアをデータをもとに分析しました。

コノミンでは今後もエリートキャリアの経歴データにもとづいた調査・分析記事を公開していく予定です。

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