上場・未上場ベンチャー企業CFOのキャリアを在籍者の経歴から考察

コノミン編集部

ベンチャー企業(上場・未上場)40社に在籍するCFOのデータをもとに、ベンチャー企業のCFOになるためにはどのような経歴・キャリアを辿れば良いのかを考察します。学歴や、新卒での入社業界・入社企業などの職歴からCFOになるための道を考察します。

ベンチャー企業CFOの経歴を分析

そもそもCFOとは?

Chief Financial Officer(最高財務責任者)の略で、企業の財務会計に関する業務を担当する役職です。財務戦略の責任者として経営の一翼を担う存在であるため、経営全般を見渡す視野も求められます。近年の起業ブームなどによって、ベンチャー企業におけるCFOの求人数は大幅に増えているようです(エン・ジャパンの調査による)。

調査・分析対象

本記事では、以下のベンチャー企業40社のCFO40名を調査対象とし、その経歴に着目します。これらのベンチャー企業は2009年~2018年に上場した企業と、2009年以降に累計10億円以上調達した企業の中からコノミン編集部が選定したものです。


イー・ガーディアン、ネクソン、KLab、モブキャスト、オルトプラス、データセクション、VOYAGE GROUP、鎌倉新書、アイリッジ、富士山マガジンサービス、ジグソー、アトラエ、エボラブルアジア、UUUM、Fringe81、ネットマーケティング、ユーザーローカル、自律制御システム研究所、Amazia、Kudan、ラクスル、HEROZ、ispace、LeapMind、フリー、エブリー、C Channel、アクセルスペース、MICIN、BASE、Chatwork、メドレー、アソビュー、よりそう、スターフェスティバル、トレタ、Viibar、ヤマップ、スペースマーケット、VAZ

※注意事項※

全てのベンチャー企業の全てのメンバーではなく、一部(サンプル)であるため、本記事の分析結果が必ずしもベンチャー企業全体にもあてはまるとは限らない点、あらかじめご留意ください(統計処理によりベンチャー企業全体の傾向を推定することもしておりません)。また、データ取得期間の関係上、既に退職者が含まれている可能性もあります。

ベンチャー企業CFOの学歴

※N=14(学歴不明除く)

※N=21(学歴不明除く)

東京大学や慶應義塾大学など、高学歴の人が多いことが分かりました。修士課程修了者は8名おり、うち5名が理系、3名がMBAを含む経営系の専攻でした。


【理系大学院を卒業し、ベンチャー企業CFOになった例】

MICIN CFO, SVP of Corporate 徐マリア氏

東京大学大学院薬学系研究科修了。2013年ゴールドマン・サックス証券に入社。投資銀行部門でM&Aや資金調達に携わり、主にヘルスケア(製薬、医療機器メーカー)やライフサイエンス(化学)、生命保険などの業界を担当した。MICINではファイナンスやデータソリューションの事業開発などを担う。


【経営系の修士号を取得し、ベンチャー企業CFOになった例】

ユーザーローカル 取締役CFO 岩本大輔氏

中央大学大学院戦略経営研究科修了。楽天株式会社、メタウォーター株式会社を経て2017年、ユーザーローカルに参画。

ベンチャー企業CFOが新卒で入社した業界

※N=35(職歴不明除く)

職歴が判明した35名のうち最多が金融業界の11名で、その内訳はゴールドマン・サックスをはじめとする外資系が約半数の5名を占めていました。そして日系銀行の出身者は一人もいませんでした。2番目に多い監査法人は、監査法人トーマツ(4名)、新日本監査法人(2名)、朝日監査法人(2名)で構成されていました。3番目に多いコンサル業界はマッキンゼー・アンド・カンパニーやローランド・ベルガーなどの外資系コンサル(5名)と日系戦略コンサルであるコーポレイトディレクション(2名)で構成されていました。

また、すべての業界においてベンチャー企業へ新卒入社した人はいませんでした。

ベンチャー企業CFOが2社目に入社した業界

※N=22(職歴不明除く)

ベンチャー企業CFOが新卒のあとの2社目に入社した業界では、IT業界に入社した人が増加し、監査法人は0名となりました。

IT業界は、Googleや楽天などの大企業から小規模ベンチャーまで混在しています。金融業界はその半数を超える4名が野村證券に入社しており、これら4名が新卒で入社した業界は、監査法人やコンサル、教育・人材業界など多岐にわたり、共通点はありませんでした。


【2社目にIT業界へ入社した例】

イー・ガーディアン 専務取締役・最高財務責任者 溝辺裕氏

1990年松下電工(現パナソニック)入社。2006年、モバイルコンテンツ、スマートフォンアプリ、ソーシャルアプリなどの企画・製作・運用を行うエディアに入社。2010年イー・ガーディアンに参画する。


【2社目に野村證券に入社した例】

Fringe81 取締役CFO 川崎隆史氏

京都大学大学院理学研究科物理学専攻(固体物理学)修了。2000年戦略コンサルティングファームのコーポレイトディレクション入社。 2006年野村證券に入社し、企業情報部にて電気・精密業界のM&Aアドバイザリー業務を務めたのち退職。米国ペンシルベニア大学ウォートン・スクールでMBA取得後、三菱UFJモルガン・スタンレー証券を経て2014年、Fringe81に参画。

2社目で現在在籍するベンチャーに参画し、CFOになった人

※N=13

新卒で外資系投資銀行に入社した5名は、全員が2社目で現在のベンチャーに入社していたことが分かりました。新卒で外資系投資銀行に入る実力があれば、回り道をせずベンチャーに参画し、CFOになれる可能性が高いと言えるでしょう。また、新卒で監査法人に入社した8名のうち半数である4名が、2社目で現在のベンチャーに入っていることから、監査法人でのキャリアもCFOになるにあたって有力であることが分かります。


【外資系投資銀行→ベンチャー企業CFOの例】

メドレー 取締役CFO 河原亮氏

東京大学工学部卒業。2007年、JPモルガン証券株式会社に入社し、投資銀行本部にて約10年間、国内外の事業法人及び金融機関を顧客とした資金調達業務及びM&Aアドバイザリー業務に携わる。2016年より株式会社メドレーに参加。


【監査法人→ベンチャー企業CFOの例】

KUDAN 取締役CFO 飯塚健氏

一橋大学商学部卒業。2005年新日本監査法人(現EY新日本有限責任監査法人)入社。2015年KUDAN取締役CFOに就任。

ベンチャー企業CFOのキャリアまとめ

最後に本記事をまとめると、


1. ベンチャー企業CFOには高学歴が多い。

ベンチャー企業CFOは難関大学出身者が多く、大学院卒業者も多いことが分かりました。また修士号取得者の半数以上が理系の学問を専攻していたことがわかりました。


2. ベンチャー企業CFOが新卒で入社した業界は金融業界、監査法人、コンサルの順に多い。

最も人数の多かった金融業界では約半数が外資系金融機関で、日系銀行に入社した人はひとりもいませんでした。また特定の企業に人数が偏っているということもありませんでした。


3. ベンチャー企業CFOが2社目に入社した業界はIT業界、金融業界の順に多い。

新卒で入社した業界と一変してIT業界に入社する人が最多となりました。金融業界では野村證券に入社した人数が半数を越えていました。


4. 外資系投資銀行・監査法人に新卒で入社した人はベンチャー企業CFOになりやすい。

新卒で外資系投資銀行や監査法人に入社した人は、他の企業へ転職せずストレートにベンチャー企業CFOに就任できる傾向がありました。新卒で監査法人に入社した人の多くの場合は、公認会計士の資格をもっているものと推察されます。最短でベンチャー企業CFOを目指すのであれば、外資系投資銀行に入るか、公認会計士の資格を持ち監査法人に入るのが良いでしょう。


以上、ベンチャー企業CFOへのキャリアを在籍者の経歴データをもとに考察してみました。

コノミンでは今後もエリートキャリアの経歴データにもとづいた調査・分析記事を公開していく予定です。

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