現役メガバンク若手トップセールスが語る仕事術【処世術や資格、プライベートまで】

コノミン編集部

現役メガバンク若手トップセールへのインタビュー記事。メガバンクで活躍する営業マンの仕事術からプライベートまで詳しくお話ししていただきました。

学生時代や新卒1年目でもトップクラスの成績をあげる

−−−これまでの経歴を教えてください。

都内の私大(編集部注:早慶レベル)を首席で卒業しました。就職活動では、各業界の時価総額1位~3位を受けまくるみたいな就活をしていて、内定は10社程度からいただきました。自分自身が真面目なのと、海外で働きたいという思いが強かったので、年功序列の色合いが強いメガバンクに就職しました。今思っても、この決断は間違ってなかったと思います。

銀行はどこも似たような感じかとは思いますが、最初の半年ほどは預金と為替の研修期間で、その後からはずっと渉外活動(いわゆる営業のこと)に従事しています。お客さんと会って、融資や運用のニーズを引き出して対応して稼ぎまくるっていうシンプルな仕事です。数年間の実績が評価され、海外支店で働くことが決まりました。


−−−最初の数年の実績はどのような感じでしたか?

1年目は担当する会社も少ないので、1年目の終わりに実施される業務知識の確認テストを通して成績は可視化されます。この時のテストの順位は行内にも掲示され、僕は同期500人以上の中で、上位2%以内(1桁台)の順位でした。テストの点数が良い人=営業成績が良い人とは必ずしも限らないのですが、このテストが良かった同期はみんなそれなりに営業実績を出していて希望するキャリアパスを描いていますね。要するに、努力するやつを銀行は評価するってことだと思っています。

2年目からは本格的にバンカーとしてデビューすることになります。若手だといわゆる「当行メイン先」などといった担当先を持たせてもらうことも少なく、実績が上がりにくいです。しかも僕の場合は、配属された支店の土地柄、斜陽産業の顧客が多かったりといった運要素も働いてくるので、なかなかにきつかったです。2年目の評価なんてあってないようなものですが、僕はS・A・B・C・Dの5段階のうちAでした。

3年目以降は仕事にも慣れてきたので、仕事のやり方についてもあまり悩まなくなったし、実績面でもうまくいっていて、若手内でトップ層で稼ぐ部類(上位5%以内には確実にいるレベル)になりました。


−−−具体的な仕事の内容と典型的な1日のスケジュールなどを教えていただけますか?

2年目まではあてにならないと思うので、3年目以降の基本的な業務内容と1日のスケジュールについてお話しします。普段の業務内容は、貸出から新規営業・個人運用相談と新規取引開始、住宅ローンやNISA口座の獲得といった普通の人が思いつくようなことはほぼほぼやります。3年目の時で、担当顧客数は40社くらいで、上場企業から個人では普通の会社員の方まで規模感は様々。担当する会社の規模感や個人の能力にもよって目標は違うのですが、課長代理とかになると法人からの収益目標が年間6,000万円、個人からの収益目標が年間700万円くらいなイメージです。僕が3年目の時は、法人からの収益目標が5,000万円、個人からの収益目標が600万円で、大幅に目標を超えて達成しました。3年目の目標にしてはかなり過大だといつも文句を言っていましたね(笑)。

当時の1日のスケジュールは以下のような感じでした。

7時~8時30分:出社。この朝の時間から出社してる人はほとんどいないので、稟議や事務作業がすごく捗る。

8時30分~9時:朝礼。今週・今月どこで目標仕上げるんだ?という怒号が30分かけて鳴りやまない。実績上がっていない人は詰められまくるのですごく辛いように見える。

9時~15時:営業活動。お客さんが働いてる時間は支店にいちゃいけないみたいな暗黙のルールがあるので、みんなこの時間は営業活動をするように心がける。

15時~20時:みんな様々であるが、稟議を書いたり、お客さんから預かってきたものの処理をしたり、貸出案件を上席と共有したりしている。

こんな感じで日々の労働時間は僕の場合13時間いかないくらいでしたね。月の残業は45時間以内に収めるっていう暗黙のルールがあるので、早く帰れる日は帰りますが、みんな休憩時間なんて取らないし過少申告するので実態残業時間はゆうに80時間程度いきます。慣れればどうってことありませんが、今の時代の流れには逆行しているし、それだけハードな仕事であることは確かです。

メガバンクで若手トップセールスになるために大切なこと

−−−最初からトップクラスの成績を収めてきたご自身からすると、優秀な若手の分水嶺となるポイントはなんだと思いますか?

まずできるバンカーというのは工程管理が完璧です。今月中に何を仕上げないといけなくて、そのために今から何をしないといけなくて、みたいなロードマップが描けて実行できます。できないバンカーは、月末が近くなって焦ってお客さんにお願いして信頼をなくしています。

あとは自己研鑽をしていますね。僕なら証券アナリストを最初の3年以内に取りましたし、優秀な同期にはFP1級を取った人もいました。資格を取って、自分が将来こんなことをやりたいみたいなのが明確で、上席がそれを理解して線路を敷いていくイメージです。できないバンカーは、日々自堕落に過ごすし、自分のキャリアについて、「こんなことをやりたい!」と言うくせに努力は伴わない人ばかりです。


−−−トップセールスになるために一番大切なことってなんでしょうか?

当たり前のことを当たり前にやれるバンカーが活躍します。じゃあ当たり前のこととは何か?朝早く来て稟議を書く、今日やることや今週中にやることが明確になっている、行内ひいてはお客さんとの期限がしっかり守れる、やることや予定が上席や事務担当者と共有されて準備がなされている、などなど。この当たり前のことが、みんな何かと理由をつけたりでやらないし、できない。逆に言えば、当たり前のことができれば、周りは勝手に評価してくれるので、銀行における出世とはそんなに難しくないものだと思っています。


−−−他にもみんなが意外とやっていない「当たり前のこと」ってどういうことがありますか?

日経新聞を読むことですかね。実は若手銀行員はあまり日経を読み込んでいる人が少ないです。若手銀行員が会社の社長と対等に話せる話のネタを自ら捨てに行っていて、個人的にはすごく不思議です。行きの電車では日経を読んでいますが、帰りの電車では明日やるべきことの整理や取引先の有価証券報告書を読んでいます。次の日の朝にはすぐに手が動かせるイメージを前日の電車の中でもてるようにします。

他には、僕は普通だと思っていましたが、まわりからはかなり普通じゃないと言われることがあって・・・。取引先の顧客番号や電話番号は全部頭に入っています。財務内容もほぼ頭に入ってる。普通の人が名刺ファイルを見て電話番号を探す時間が僕にはないので作業パフォーマンスはかなり高いようです。

あとは個人取引の預かり目標を達成するために、BS(編集部注:貸借対照表、バランスシート)を見て社長からの借入金が大量に乗っかってる会社見つけて、借金肩代わって社長に還流した資金を全額運用してもらって目標達成するとか。BSの不動産明細で含み損が出ているんだけれども本業でかなり儲かっていて、株価高すぎて困っているみたいな会社もたくさんあるんですが、そこに対して不動産売却を仕掛けるためにグループ会社と連携して不動産買い先を見つけてきて、買い先に融資して買ってもらうとか。個人的にはこれを当たり前に提案して実績を上げているんですが、税制などに対する知識がなくて大票田を取り逃がしているバンカーが多くいる印象を受けます。


−−−仕事をする上で、社内の人間関係も大切になってきますよね?

これはかなり大事で、営業マンは基本的に書類をお客さんから預かってくるだけで、処理をするのは事務方の女性社員なので嫌われるときついです。事務方との接し方にはすごく気を遣うし、昼に食堂で一緒になった時にはお茶を汲んだりとかしていますよ。あとは、若手の女性事務方と仲良くしていると、彼女たちの話を聞いた事務方の女性上司が気に入ってくれてよく扱ってくれることも多いです。

先輩や上司との付き合い方は、悪いことはすぐ報告みたいな報連相の徹底はもちろん大事だし、上司や先輩からの依頼ごとには一番に対応みたいな当たり前のことがやっぱり大事です。最初の印象でミスると巻き返しが辛いので、1年目の時はすごく気を遣った思い出があります。ただ事務方の女性と違って、上司や先輩は営業成績が良ければ勝手にうまく付き合えるようになるので、あまり心配はいらないかもしれません。


−−メガバンクの若手行員をみていて思うことはありますか?

当たり前のことができていない行員が多いので、お客さんから勝手に好きになってもらえることが多いです。だから実績も上がるし、仕事にやりがいを感じられるようになる好循環が生まれます。「今度の担当者は他の銀行と比べてもかなり優秀だ」なんて言われることも多いですが、要するに若手行員は当たり前のことができない奴が多いってことなんです。


−−−目指すキャリアパスとかはありますか?

「頭取になりたい」「支店長になりたい」みたいな出世欲はあまりなくて、漠然と思い描いてるのは海外関連の仕事がしたいってことぐらいです。同期の話を聞いていてもそんなに出世欲のある人はいないですね(笑)。ただ、支店で営業活動をして終わりたくないとは思っていて、専門分野に特化したキャリアを形成していきたいとは思っています。ただ、「これがやりたい!」みたいな決めつけには走らないようにしています。上司が勝手に向いてそうなことをアサインしてくれると信じていますので。


−−−転職とかは考えていないんですか?

基本的には今のところ転職は考えていません。すごく評価されていると思うし、仕事にもやりがいを感じています。まわりだと辞めている同期もちらほらいますね。3年3割という言葉がありますが、そこまでは辞めてはいなそうですけど。今のところ転職は考えていませんが、同期対比出世競争に遅れをとっているようであれば、見切りつけてすぐ辞めれるように自己研鑽には常に励むようにしています。


−−−それじゃあ転職サイトとかエージェントとかには登録してないですよね?

転職サイトは見たことありませんね。知ってるのはリクナビNEXTくらいです。(編集部の「ビズリーチとか知らないんですか?」の質問に対して、)ビズリーチも言われてみると名前だけ聞いたことあるかもしれないなっていう感じです。言われないと自分からは絶対出てこなかったです(笑)。

トップセールスのプライベート

−−−プライベート(アフターファイブや休日など)はどのように過ごしていますか?

週に1回あるかないかで職場の飲み会が発生します。正直朝7時から働いていて行きたくないのが本音ですが、行って日々の悩みや案件をこの場で上司に共有するようにしています。若手のうちは、しょうもないことでも全部上司に共有して自分の手元を綺麗にしておくことが吉です。分からないことは全部歴戦の覇者である上席たちがうまくやってくれます。

2ヶ月に1回程度で上司や先輩たちとのゴルフもあります。これも慣れないうちは朝も早いし車で迎えに行かなくてはで辛い以外の何物でもありませんが、嗜むとけっこう楽しいし先輩の普段聞けない話なんかも聞けたりするので僕は絶対断りません。

こんな感じでプライベートもけっこう銀行の人に費やす感じでさみしく思われるかも知れませんが、そのおかげで上席や先輩にも気に入られるし仕事もやりやすくなるので個人的には満足しています。飲み会やゴルフがない日は、資格の勉強をしたり、ゴルフの打ちっ放しに行ったりすることが多いです。


−−−資格についてもう少しお話をうかがえますか?

僕は3年目で取得しましたが、証券アナリストやFP1級などは若手のうちに取れれば同期にかなり差をつけられます。これがあるだけで普通の支店では力を持て余すので、勝手にエース級の支店や営業部に配属されるようになります。僕は半期に1個は資格を取ることを目標にしていて、土日はゴルフの打ちっ放しか資格勉強をしていることがほとんどです。ゴルフが上手ければ上司にもよく誘われるし、その時に自分がこんなことをやりたいみたいなことも共有できるのでプラスに働いてると思っています。


−−−合コンや仕事とは関係のない飲み会などには行かないんですか?

合コンにも行きます(笑)。銀行で新規営業をしていると、会社にピンポンして門前払いされることもしょっちゅうなので、メンタルも強くなります。自分は数打ちゃ当たるみたいな考え方をするのですが、その考え方は女性関係でも強く出れるなと思ったりしています。銀行員=真面目という世間の印象も強いので、合コンは得意になりました(笑)。海外経験も合コンでは強力な武器ですね。他の男性に負けることが少なくなりました。


−−−銀行員は結婚が早く、社内結婚も多いイメージがあります。

かなり早いと思います。新入社員で入行してきた人が1年目で結婚したときにはど肝を抜かれました。周りには可愛い女性行員もいるし、同じ職場で働いていると価値観も合うわで銀行員は結婚が早く、かつ社内結婚が多いのですが、個人的にはこれもリスクだと捉えていて結婚は30歳以降と決めています。というのも、早く結婚して所帯を持つと何が何でも会社で勤め上げないといけないので、例えば出世競争に乗り遅れて後輩にも抜かされるだけの人生になっても、銀行に見切りをつけられません。これは正直リスク以外の何物でもなく、それゆえに結婚するモチベーションが上がりません(笑)。

社内恋愛・社内結婚に関して言うと、同期男性で銀行内で合コンをすると、配属支店で格付されるので微妙な支店だとかなり辛そうです。それでも1年目は学生時代の経験などで食いつなげますが、3年目くらいになると女性も仕事ができるのか、仕事が楽しそうかみたいな現実路線に走っているように強く感じます。ちなみに、銀行内の女性、特に支店で手を出すと、バレたらどっちかが異動しないといけなかったり、別れると気まずかったりといいことがありません。異動してから付き合ってる人が多い印象です。

ちなみに僕は海外赴任の異動が出たあとに、かなり多くの女性行員からさし飲みに誘われました。女性行員は打算的だなあと思いましたね(笑)。

こういった事情もあるので、業績面や海外経験などの表面スペックだけ見れば僕もそんなに悪くはない部類に入るので、候補先は勝手に増えていくし結婚には困らないだろうと自分を納得させるようにしています(笑)。ちなみに、僕は海外志向が強くて、子供はスーパーハイスペックに育て上げたいという思いがあるので、異動についてきてくれる人がいいですね。英語が話せることと、マーチ以上はマストです。あとは自分が転職する可能性も考慮して共働き容認の総合職女性と結婚したいと思っています。


−−−良いお相手が見つかるといいですね。本日はありがとうございました!

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